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【ソーシャルプロデュース講座】2023年度前期 参加事業者の事例を公開しました!②

こんにちは。東庄町役場の平塚です。今回は私が2023年度 前期チームiCHiアカデミー ソーシャルプロデュース講座を受講した感想や実際の取組をご紹介します。

東庄町について

東庄町は千葉県北東部に位置した、水田や畑、森林地帯に囲まれた自然豊かな土地です。人口は13,000人のうち、高齢者が40%を占めており、無料の巡回バスや有料のデマンドタクシーを運行するなど高齢者が過ごしやすい町づくりを心掛けています。その他にも18歳までの子どもは医療費・給食費が無料、小中学校への電子黒板やタブレットの配布を行うなど、子育て・教育にも力を入れています。

また、ドローン事業にも注力しています。廃校となった小学校の跡地にドローンの教習所である「ドローンパーク」が一般社団法人国際ドローン協会により開校され、月に60~80人程度の人々がここ東庄町を訪れるようになりました。

ー東庄町イメージキャラクター コジュリンくんー
広域連携「チバラキ」(後述) イベント時の様子

アカデミーをなぜ受講したのか

チームiCHiアカデミーを受講したのは、地域創生を担当する部署に異動してから2年目のことでした。仕事をする中で「東庄町を10年後、20年後どうしたいか」を考えたときに、具体的な未来像をイメージできない自分がいることに課題を感じました。

町内外問わず東庄町に関わった人に「なんだかんだ東庄町が好き」と言ってもらえる町にしたい、「東庄町といったら平塚さん」と言ってもらえるように地域内で活躍したいという強い気持ちと、共に受講する仲間と切磋琢磨しながら知識を身に着けていきたい想いから受講を決めました。

受講した感想

チームiCHiアカデミーは行政職の人間だけで行う研修とは異なり、民間の様々な業種の方と共にワークに取り組んだことで、自分と職場の仲間たちだけでは気づくことのできなかった東庄町の魅力など、これまでと異なる視点や知識を得ることができました。

また、官民連携を考えている市町村にとっては、どのように連携すべきか、そのノウハウを得られるよい機会であると思います。何をどの順序でやったらよいのか悩んでいる方が多いと思いますが、講義内で体系的に学ぶことができるため、受講後は自信をもって地域創生を進められると思います。

また、一緒に受講した方々とは現在も連絡を取り合っており、小さなことでも相談できる仲間ができたという点でも参加してよかったと感じています。

今回、東庄町からは私1人での参加でしたが、地域創生においては地域とチームiCHiアカデミーそれぞれで得た知識のアウトプットが重要になるので、職場単位など複数名で受講することでさらにその後の活動につながると感じました。

受講後の取組みと展望

チームiCHiアカデミーを受講したことで民間事業者ならではの知見や気づきを多く得ることができました。この経験を役場内で共有したところ、これまでコンサルティング会社と内部の職員だけで作成していた地域総合戦略を、民間事業者の方々の意見を取り入れながら作成する方針へと決定し、現在は官民連携のワークショップを企画、開催しています。

そして、次期総合戦略のテーマとして検討しているのが「ドローン事業」「広域連携」「高齢者・子供への支援」の3つです。

チームiCHiアカデミー受講中にドローンを活用した方がよいという意見を多くもらったこともあり、現在は幅広い分野で実証実験を行っています。

まず、登下校中の中学生の見守りをドローンで行う実証実験を始め、教職員の負担軽減と犯罪抑止につながると考えています。

また、農業の分野においても農薬散布の手段として実証実験を行っており、1000ヘクタールの農地への散布は日本最大級の広域な実験となっています。

そして、在宅で医療ケアを受けている子どもたちへの災害時の支援に活用できないかなど、福祉分野での活用も考えています。これらの取組は一回限りの実証で終わらせず、事業化に向けて継続的に議論を重ねたいと思います。

ドローンによる実証実験の様子


現在、それぞれの地域の長所を活かしながら地域の課題を共に解決していくという観点から、茨城県の市町村と「チバラキ」という呼称を用いた広域連携を行っています。その一環として、茨城県を拠点とするJリーグの鹿島アントラーズとフレンドリータウンの協定を結び、子ども向けのサッカー教室を開催するなど、スポーツや教育の面で交流を行っており、今後は大人向けに生涯・健康分野の交流などにも発展させたいと考えています。

東庄町では高齢者の暮らしやすさと、子供たちが幼いころからこの町で働く未来を想像できる環境づくりを心がけており、公共交通の利便性改善や様々な業界の人物を招いて子ども向けのイベントを開催しています。これらの取組も今後はドローン事業と結び付けて、認知症患者への支援やドローンパイロットの育成などにつなげたいと考えています。

東庄町 総務課企画財政係
平塚 翼(ひらつか つばさ)

2015年に入庁。地方創生関係、公共交通、空き公共施設利活用、少子化対策の業務を担当。これまでに、「街ガチャIN東庄」の作成、東庄町デマンドタクシー実証運行の開始、廃校利活用におけるドローン関係団体の誘致に取り組む。