TOTTEOKI STORIES

2020.11.06

中間発表会

インバウンド(訪日観光客)の増加によって急拡大し、産業の柱に成長していた日本の観光産業。ところが、新型コロナウィルスの感染拡大によって人の移動は制限され、インバウンド需要は一瞬にして消えた。2020年4月の訪日外国人客は2917人と、前年同月比99.9%の減少で、半年が過ぎようとしているが訪日客が戻る気配はない。
しかし、ワクチンが開発され、近い将来に新型コロナを克服することができれば、国境をまたぐ人の往来がはじまり、日本に再び観光客がやってくることが予想される。そのため、インバウンド需要の再拡大に向けての取り組みが今、水面下で行われている。

「TOTTEOKI(とっておき)プロジェクト」は、外国人専門家との共創によるインバウンド需要の拡大を狙う。いまインバウンド拡大と聞くと違和感を抱くが、世界の観光需要が再び盛り上がれば、国ごと、地域ごと奪い合いがはじまる。その時、日本がスタートダッシュをかけるには、いまから準備するしかない。例えば、日本の工芸品はクオリティやデザイン性は高く評価されていたものの、生活様式の違いから購買に結び付いていなかった。日本には他にも、知られていない地域や隠れた名品は多い。文化、価値観の違いを埋め、広く知ってもらうため、外国人専門家の目でモノやサービスを磨き、あるいは掛け合わせることで需要拡大を狙う、それが本事業の目的だ。

今回選定された12の事業者は、いずれも各地域DMOや企業、自治体などがコンソーシアムを組んでいる。その裏には、事業者や市町村がこれまで点として行ってきた事業を広域で連携することによって面として効果を拡大させるという目的もある。7月にスタートしてから4ヵ月が経ち、11月には中間発表会を行った。12の事業者それぞれが現状と進捗状況を発表し、その後、3つのグループにわかれて分科会を行い、それぞれの課題を外国人専門家からのアドバイスを受けながらノウハウの共有を図った。