「諏訪の国」産業ツーリズム 諏訪地域の製造技術と自然文化を活用したインバウンド誘客事業

SUWA AREA NAGANO
− 長野県諏訪地域 −
岡谷市 / 下諏訪町 / 諏訪市 / 芧野市 / 原村 / 富士見町
事業概要

 縄文時代には豊かな自然により日本でもっとも人口が多かった諏訪地域。現在でも豊富な水資源から精密機械を中心とした製造業が盛んだ。しかし、産業構造の変化や産業の流出によって域内経済の縮小が懸念されている。こうした問題に対し、諏訪圏青年会議所のメンバーを中心に行政区をまたぐ広域の街づくりである「諏訪の国」プロジェクトが立ち上がった。本事業でも域内経済の拡大を図るために県内でも弱いとされてきたインバウンド誘客に力を入れる。諏訪地域のインバウンド誘致は、「いままでにない新しい産業が興るまち」というキャッチフレーズが表すとおり、強みである世界に通用する高い技術を持つ製造業を軸に考えたグローバルコミュニティをつくる産業ツーリズムだ。ターゲットとするのは、北米のエンジェル投資家やIoTや5Gといった新たな技術とアイデアを持つ台湾の事業家。彼らが出張や展示会で立ち寄った際に、地域企業の技術の高さを知ってもらい資金やアイデアを取り込む場にすることと、諏訪地域の製造業の海外進出のきっかけにする場にするという、いうなればオープンイノベーションの起こる場所を目指している。加えて、出張の際には家族で来てもらい、周囲の豊かな自然を生かしたロングステイ観光を満喫してもらおうと考える。諏訪地域にグローバルコミュニティの場をつくることでシリコンバレーのような新たな産業が起きる街にし、地域の未来を拓こうと考えている。

PROJECT MEMBERS
CONSORTIUM
株式会社いちきゅう蓼科
有限会社クローバーデザイン
株式会社高山製粉
有限会社ヤマモト
オーベルジュテラ
御諏訪太鼓興業有限会社
有限会社リトルグリーブ
株式会社池の平ホテル&リゾーツ
株式会社エイトピークス
株式会社ミクロン精工
有限会社イハラ工業
有限会社八剣技研
株式会社ハマツール
株式会社タクト
有限会社茅野工業
と
SUPPORTERS
ダン・ロー 氏
Dan Roh / from USA
マーケティングディレクター。
アメリカ市場のマーケティング専門家。
マーケティングディレクター。
アメリカ市場のマーケティング専門家。
ニッキ・ウチノ 氏
Nicki Uchino / from USA
アメリカ進出びアメリカ企業との提携の専門家。
2002年にM-Cross International Corporationを設立。
アメリカ進出びアメリカ企業との提携の専門家。
2002年にM-Cross International Corporationを設立。
スティーブ・
フェルドマン 氏
Steve Feldman / from USA
カリフォルニアで不動産会社を経営しながら、日本とアメリカの文化の違いを表現するYouTuberとしても活躍。
カリフォルニアで不動産会社を経営しながら、日本とアメリカの文化の違いを表現するYouTuberとしても活躍。
外国人専門家との共創による
磨き上げ

 グローバルコミュニティの場づくりを考えたものの、地元事業者からは、何をつくればよいのか、自分たちの技術が必要とされているのか、製造業と観光のつながりが見えないなどの課題が抽出された。その疑問や不安に対し、外国人専門家として、中小企業の日米間のビジネス支援を行っているM-Cross International Corporationのダン・ロー、ニッキ・ウチノの両氏を起用。両氏から、北米では「感情」を抑えたり、高めたりするデジタル系技術が最先端、米中摩擦により中国の工場が使えないことで工場不足が懸念されている、シリコンバレーから自然豊かなソルトレイクシティにベンチャー企業が移動しているといった現地情報を含んだアドバイスを受けた。
諏訪地域でも「感情系」の技術があることから、地元事業者が脳波の計測から心地よい揺れを実現する「眠れる椅子」を開発。世界最大規模の電子機器の見本市であるCESに出展した。併せて、投資家や事業家に個別にアプローチできるプロモーション動画を作成している。
 一方、観光についても、外国人が評価する地域資源は何か、観光の提案にはどんな組み合わせが最適か、プロモーションの仕方が分からないという課題が出ていたことから、クリエイティブディレクターのマックス・ハウゼガー(米国)氏とWEBマガジン「初耳」のプロデューサーであるデイデイ・チェン(台湾)氏を起用した。
 彼らのアドバイスから観光資源の洗い出し、高評価の観光資源の組み合わせの提案、ターゲット地域に合わせたプロモーションの策定に取り組んだ。
 さらに台湾では、「初耳」を活用して、台湾の若い世代400名に対して調査を行い、家族で楽しめるイベントとして、農産品などの直売所や地域の食材を使った蕎麦、古民家宿泊、キャンプ、カフェ、八ヶ岳でのアクティビティといったニーズが確認された。これらを踏まえ、初耳には取材を行ってもらい、それをもとにプロモーションを実施。また、Vpon Japan(株)に台湾需要拡大に向けたデータ分析を行ってもらい、的確なターゲティングの設定に生かしている。
 次年度は、諏訪オリジナルEバイクや感情ランプなどの新たな商品開発。ツアーではキラーコンテンツの造成を行い、台湾に向けてのプロモーションと、投資家、事業化向けた個別アプローチを強化してく予定だ。

専門家アドバイス &
需要拡大に向けた実施項目