雄大空間“十勝”アウトドア資源磨き上げによるインバウンド誘客加速化事業

TOKACHI HOKKAIDO
− 北海道十勝地方 −
事業概要

 北海道のインバウンドは札幌、函館、小樽など国内でも知名度のある観光地を結ぶルートが中心で、十勝エリアは通過点というイメージが強かった。一方で、当エリアは雄大な田園風景や北海道らしい食、温泉に加え、十勝の大地を舞台に行われるアクティビティ(アウトドア体験、カヌー、ラフティング、熱気球、乗馬、ホーストレッキング、花火大会、スキーリゾート、フィッシング、サイクリング、グランピング等)など「滞在すればわかる良さ」が多数存在し、観光資源のポテンシャルは高い。本事業は、こうしたポテンシャルを活かし、十勝に関心の高い台湾、さらにシンガポールを中心としたアジア圏の富裕層を誘客し、通過型から滞在型、リピート型観光地へ転換と消費拡大を狙っていく計画だ。
 とくに台湾では、従来から各種団体がプロモーションを行っており、十勝エリアへのインバウンド流入は全体の36.3%と多い。さらに、近年グランピングなどのアウトドアが盛んで、NHKの朝の連続ドラマ「なつぞら」が2020年9月末から放映されるなど、追い風も吹いている。雪などの自然、食への期待も高いことから台湾からのインバウンド誘客の加速を目指す。具体的には、夏は「十勝千年の森」でのプレミアムグランピングツアー、冬もキャンプ場での夕食会やガイドツアーなど、今までにないアウトドアコンテンツで、台湾への情報発信・販路開拓を行っていく。

PROJECT MEMBERS
CONSORTIUM
株式会社デスティネーション十勝
株式会社十勝毎日新聞社
めむろ新嵐山株式会社
有限会社トヨニシファーム
有限会社十勝しんむら牧場
帯広観光コンベンション協会
株式会社四季彩
鶏の伊藤
Asian・アイヌ居酒屋ポンチセ
と
SUPPORTERS
アヤカ・リン 氏
Ayaka Lin / from Taiwan
十勝在住ブロガー。10年以上に渡り日系企業の秘書を務め、現在は北海道帯広市在住。個人ブログは合計閲覧数1千万以上。46,000人が参加する北海道旅行Facebookグループを管理。日本語検定一級、翻訳・通訳経験豊富。
十勝在住ブロガー。10年以上に渡り日系企業の秘書を務め、現在は北海道帯広市在住。個人ブログは合計閲覧数1千万以上。46,000人が参加する北海道旅行Facebookグループを管理。日本語検定一級、翻訳・通訳経験豊富。
外国人専門家との共創による
磨き上げ

 台湾及び華僑をターゲットに考える(株)デスティネーション十勝は、帯広市とアウトドアブランドのスノーピーク社が連携して2017年4月に設立された十勝版DMOで、本事業でも代表団体として地元を巻き込みながらアウトドアのメッカとして世界に発信していこうとしている。コンセプトとしては、心豊かなライフスタイルを求めるターゲットに、十勝の持つ雄大な自然空間と本格的なアウトドアで、「ゆとり」と「癒し」「ワクワク」にあふれたプレミアムな時間を提供したいと考えている。
 今年度の事業では、インバウンド需要拡大に向けたモニターツアーによるコンテンツの造成とPR事業を実施した。最初に行ったペルソナの設定では、ターゲットを台湾の若い家族と日本在住の富裕層の華僑と設定し、3泊4日のモニターツアーを考えた。次に専門家を招き、仮設に基づく調査も行った。専門家には十勝在住ブロガーのアヤカ・リン(台湾)氏を招聘。コロナ禍で1国にターゲットを絞るのはリスクが高いこと、日本国内や世界にいる華僑をターゲットに長期滞在するツアーを考えるべき、とのアドバイスを受けた。一方調査では、現状の十勝観光について台湾に住む方々にライブ配信によるアンケートを実施。その中で特に、熱気球やグランピング、天体観測に興味が高いことや、世代によって効果的なSNSが違うこと。さらには、春夏秋冬のモニターツアーを継続的に行うことが、コンテンツの磨き上げと情報発信の上で重要であることがわかった。調査は台湾でも行い、スノーピーク台湾店での店頭調査と北海道旅行についてのWEB調査から移動手段の重要性、アイヌ文化やアウトドアへの興味の高さ、キャンプと温泉等の組み合わせのニーズが高いことなどが分かった。
 以上の調査を踏まえたモニターツアーを実施し、併せて若い家族、シニア夫婦、親子3世代向けの映像も作成した。さらに、この映像で再度、調査を行った結果、気球、温泉、グランピングの人気と一人当たりのツアー料金は20~30万円の評価が最も多いことなどが導き出された。次年度に向けては、今年度の調査と分析を踏まえて、次年度に向けた新たなコンセプト「TOKACHI Base Camp」を宣言。野遊び、ものづくり、情報発信や交流の拠点づくりを実施していく構えだ。

専門家アドバイス &
需要拡大に向けた実施項目